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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-178


(引き剥がされて行く、黒い“闇”の向こうに、
夏樹の白い腕が。 見える。 白い肌に、闇夜の中、
鋭く煌めく、深い紺色の瞳の眼光が。 月明りを受け、
眩しく光る。)

「いけない、夏樹君。」

(誠司は、直感的に、夏樹が、激しい負荷を負っていると感じた。)

(だが、風は、弱まることを知らず。
勢いを増し、見る間に、“闇”を蹴散らした。)

ゴババババッ!

バキキッ・・

ガガガガッ

「!」

(誠司は、桜と蒲公英。 そして、数馬を抱え。
叫んだ。)

「伏せて。」

(夏樹の風と、“闇”は激しく衝突し。 打ち付ける“闇”が
観覧車の巨大な柱を圧し折り。 耳に響く轟音を上げながら、
七色のイルミネーションをショートさせ。
崩壊してゆく観覧車は、ゆっくりと。 傾き。)

(分解し、落下する柱と、ゴンドラが、
土と、水飛沫を上げ、地面に突き刺さった。)

バキキキッ ドーンッ



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