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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-182


(熱を持つ、数馬の頬に、涙がこぼれた。)

(数馬は、気にせず。 拳で、涙を拭った。)

「きっと。 雨は、止む。」

(お気に入りの帽子を。 数馬はぎゅっと、被り直した。)

***

(善の黒い瞳が。 異空間の中へ、FOTに囚われて行く、
“闇”を見つめた。)

「あ〜らら。 善、良いの?」

「好きにさせて。」

(理恵は、ツインテールの黒髪を靡かせ。
可愛らしい靴で、つま先立ち、浮かび上がる、FOTの無数の異空間を見上げた。)

「良いさ。 “闇化”は起こした。」

「“対価”を受け取ろう。」

ドクンッ

「あいつは、結界の中へ。 俺を通してくれる。」

「くっくっくっ。」

「さぁ、“鍵”がお目見えだ・・。 なぁ・・。」

「“鍵の情報”を、俺によこせ。」

ドクンッ!



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