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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-183


***

「はっ!」

(彩の胸元で、小さな火花を散らし。 封印が解除された。)

(最後の砦の様に、彩の胸に。 銀の十字架のアクセサリーが、
音を立てる。)

チリッ

(解除された、メモリーが。 彩の胸元で、展開した。)

「・・・っ。」

(残された、彩の最後の良心が。 悲鳴を上げた。)

【ご苦労・・。 良くやったな。】

【可愛い、俺の“糧”よ・・。】

(魔法契約を通じ、空間を飛び越えた善が。 彩の前に、上半身をもたげた。)

(議事堂に集う人々に、彩以外に、善の姿は見えない。)

(鋭く伸びた、青い爪が。 小さな、メモリーを掴み。
銀の十字架のアクセサリーを繋ぎ留める、鎖を巻き込み。 引き千切った。)

ビッ カッ・・ バララッ

「!」

(鎖は零れ。 十字架が、テーブルの上に、落ちた。)

「・・待って・・。」



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