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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-184


【楽にして、やるんだろう・・? なぁ?】

【もう十分・・、戦った。】

【なぁ・・、生きるのは、苦しい。】

(彩は、当然。 予感していたはずだった。 だが、今一度。
この少年を前に。 彩は、自分が何をしたのか。 分かった。)

「待って・・。」

【甘美な死を。】

【俺が、与えてやる。】

(彩の瞳は、見開き。 本来の色を取り戻した。)

(亡き雪が、大切にしていたアクセサリーが、彩の呪縛を解き、
目を覚まさせた。)

***

「楽にしてあげる。」

「あなたを・・。 もう十分、戦ったもの。」

***

「違う、私はもっと、一緒に戦いたかったのよ。」

「勝てなくてもよかった。」

「病に勝てなくてもよかった。」

「もっと、戦うべきだった。」



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