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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-186


「私は、戦う勇気が無かった。」

「もう、失いたくなかった。」

「夏樹君・・。 あなたと、共に、戦う勇気が、私に無かった。」

「許して。」

(くずおれる彩の肩に、ピンク色のソバージュの髪が、流れた。)

(零れ落ちる涙の先に。 この先に、何が起こるのか。
考えることは、出来なかった。)

「Projectは順調だ。」

「彩、良くやった。」

(石垣は、光の無い灰色の瞳で。 席上から見つめた。)

「能力者が、“鍵”を捕らえるのを待て。」

(大臣達は、固唾を飲み。 モニターを見つめた。)

(メモリーに残された、情報が、善を、“鍵”の場所へ導くはずだ。)

ギギギッ ゴオォォォーッ!

(彩は、絶望的な思いで、その時を待った。
一瞬は、永遠の様で。 肩を落とした彩は、動けなかった。)

ドクンッ

(心臓が跳ねる。 握る両手に、赤い爪が、食い込んだ。)

【あっはっはっはっ!】



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