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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-188


(善の強い波動が流れ込み、クリーム色の火花が散る。
まるで、スローモーションの様に。 その一瞬は流れ、
夏樹は、善の行き先を目で追った。)

「う・・っ。」

「!」

・・ドクンッ!

『どこへ。』

(強い痛みに、胸元を掴む。 息が出来ず、夏樹は身体を屈めた。)

「僕のところじゃない。」

(空間通路を渡る善は、喜びに満ち。 頭上を渡って行く気配に、
夏樹は、戦慄した。)

[「晃くんのところへ・・?」]

(静乃は、空間通路を遮断出来ず。 聖が、次々と、
善の道筋を、切り開く様を、茫然と見つめた。)

「違う。」

(夏樹は、気づき。 風を巻き上げ、高く。 空間通路へ飛び込んだ。)

***

「夏樹くん・・! 追えないわ!」

(静乃は、素早く、幾つもの回線を繋ぎ、通路の遮断を試みた。
だが、無謀な、悪あがきに過ぎなかった。)

(空間通路を生み出したのは、聖であり。 閉ざされた扉を解除し、



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