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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-190


「・・! どうして・・っ!」

「聖っ!!」

バンッ!

(夏樹は、拳で、閉ざされた空間扉を、叩いた。)

「どうして・・!」

バリリッ・・

(扉は、音を立て、振動する。
握りしめた拳に、夏樹は、うつむいた。)

(頭上で、激しく、雷鳴が轟いた。)

***

「はっ・・。」

「おかしい・・。 どこへ。」

「あの能力者は、どこへ・・。」

(彩は、赤く。 血の滲む程、握り締めていた手を解き、
冷たい、汗の流れる顔を上げた。)

(砕けた鎖が零れ、乱れた胸元に、汗が滴る。
涙に、化粧が崩れ、流れる髪も気にせず。)

(ただ、彩の目が。 真実の心を取り戻した、
彩の目が。 真っ直ぐに、恐ろしさに、パソコンのモニターを見つめた。)

ガッ



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