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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-191


「どうした? 何事だ。」

(モニターを両手で掴み。 引き寄せ、
彩は、血走る瞳を見開き、見入った。)

「“鍵”のところへ、向かっていない。」

「情報が、すり替わっているんだわ・・。」

(彩の頬から、汗が零れた。)

「聖・・。」

(議事堂内は、ざわつき。 石垣の、灰色の瞳が、鋭く、睨んだ。)

「何だと・・。」

「奴は“鍵”の“闇化”を望んでいた。」

「我らに歯向かって何になる。」

「聖の目的と、我らの目的は、同じはずだ。」

(石垣は、光の無い瞳で。 表情を変えず。 頬骨の目立つ顔を、
モニターに向けた。)

「どこへ向かっている。」

『まだ、我々を欺くか。 聖よ。』

(彩は、静かに告げた。)

「“翡翠家”に向かっている。」

「代々、霊能力を司る、宗家翡翠。」



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