HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-194


「私達の大切なものを、奪いに来る。」

「命よりも。」

(彩は、考えた。 聖が、何を狙っているのかを。)

『目的は何・・?』

『私達の、大切なもの・・。』

ドクンッ

(彩の心臓が、高鳴る。)

(両親は、先の開発施設と共に、失った。)

(身寄りの無い彩に、残された大切なものは何か。)

『剛・・。 静乃・・。 恋人も、友も。』

『裏切り、失ったわ。』

『それ以上他に、何が残されているかしら?』

(高鳴る胸が痛い。 彩は、聖の気配を恐れながら。 冷静を保とうと。 唇を噛んだ。)

「そのうえで、必ず。」

「夏樹君を、“闇化”させる、方法を取る。」

***

ドクンッ

「うっ・・。 はぁ・・、はぁっ。」



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ