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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-196


「分かった。」

(夏樹は、結界が、崩壊することを。 覚悟した。)

『守ってくれるものは、もう無い。』

ザー・・ッ

『あるのは、僕たちの力と。』

『開かれた、外の世界だ。』

(夏樹は、雨に顔を上げ。 紫苑と、菖蒲たちの待つ場所を目指した。)

***

「はぁ・・っ。」

(菖蒲は、夏樹との通信を切ると、即座に、次の相手に
連絡した。)

ピコンッ

(雨に濡れた菖蒲の手は、通信機を握り。 僅かに、震えた。)

ピッ

(通話相手の、気配を感じ。 取り落とさぬ様、通信機を白手袋の手が、
握りしめた。)

[「どうした?」]

(菖蒲は、一呼吸置き。 時雨に告げた。)

「時雨さん。 晃様の元へ、行ってください。」



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