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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-199


ガッ!

(時雨は、白手袋の手で、本部の扉を掴んだ。)

「Memorize.」

(扉は、異空間へと繋がっていた。)

ガチャッ・・

(空間の繋がりを読み込み。
晃の行き先を辿った。)

ゴオォォォーッ!

(道筋の先に、晃の行く先に、恐ろしい殺気が漂っている。)

(殺気は、迷うこと無く。 翡翠家を目指していた。)

***

リンッ・・

(僅かに揺れた、空間の気配に。
艶は瞬き。 本殿の、幔幕の向こうから。 庭を見た。)

ジャリッ・・

(敷石を踏み締める、艶の赤い草履が。 立ち止まる。)

「誰じゃ。」

「そこにおるわ。」

(艶の、瞬く黒い睫毛に。 漆黒の瞳が。 鎮まる闇夜の奥を見た。)



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