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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-200


(翡翠家当主である、時宗の力が。 静かに、魑魅魍魎の魂を。
その場に、眠らせている。)

(静かな夜の気配は、張り詰める様で。
その均衡を破れば、たちまち、妖魔は目を覚ますように、思われた。)

(耳鳴りさえ、感じる。 翡翠家の本殿の庭に。)

(静寂を破る足音を、艶は聞いた。)

ジャリッ・・

【・・当主に・・。】

【目通り願う。】

(暗闇の中、現れたのは。 自分と同じ程の、子供に見えた。)

(少年は、黒い服を纏い。 闇に溶け込んでいた。)

(対照的に、鮮やかな艶の赤い着物に。
漆黒の長い髪が、揺れる。)

「わらわが、翡翠家当主。 艶じゃ。」

「名を名乗れ。」

(二人の小さな人物は。 互いの距離を縮めた。)

(少年は、ニヤリと笑い。 一歩、歩み寄る。)

『こやつ・・。 “結界”を越えて来た。』

『聖を倒したか。 まさか、それとも・・?』

ジャリッ・・



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