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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-203


(善は、艶を離すと。
瞬時に、攻撃の手を、楓に向けた。)

ゴボボッ

【キシャーッ!】

【ギャギャギャッ・・!!】

(途端に、地表から妖魔が目覚め。 血を好む、
魑魅魍魎達が。)

(戦の香りを嗅ぎつけ、無数に湧き上がり。
楓に向かう、善の身体を目掛け。 鋭い牙を露わに、飛び掛かった。)

【!】

ゴボッ・・!

(だが、それも一瞬だった。)

(魔物の、黒い巨体に、押し潰されたと見えた、束の間。)

(次の瞬間には、上回る力で、善は。
魑魅魍魎を、微塵の、肉塊へ蹴散らし。
艶と楓の目に。 赤黒い雨を降らせた。)

バキキッ!

(艶は、赤い。 鮮やかな振袖の袂を翻し。)

(素早く楓の前に、盾となり着地すると。)

(赤い草履で、踏み止まり。 妖魔の先に、狙いを定めた、
楓への攻撃を。 生み出す炎で、受け止めた。)



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