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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-204


ゴオオッ!

ジリッ・・

(艶の黒い瞳が、赤く。 炎を映す。)

「・・・っ!」

(間髪入れずに、善は。 艶に攻撃を繰り出した。)

【・・あああ・・っ!】

(善の目は、鋭く光り。 少年の身体とは思えぬ、力を宿していた。)

(楓は、地表に倒れ。 艶の背後で、動く事も出来ない。)

(艶は、炎を盾にしたが。 揺らぐ炎は、
善の攻撃に、千切れそうに。 火花を散らし。)

(強い力に、艶は。 身体を起こすことも出来ず。
赤の着物が、自らの炎に。 燃える様に照らされた。)

ゴオオオオーッ!

「この・・っ、外道が・・っ!」

(艶は、瞳に炎を燃やし。
燃え上がる力で、善に対抗した。)

ジャリリッ・・

(踏み止まる、艶の草履の、鮮やかな鼻緒が切れた。)

「・・!」



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