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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-205


(善の顔は、笑っていた。)

(容赦無い、圧倒的な力が、艶を凌駕していた。)

(霊魂を慈しむ心を持つ、艶に。 善を、倒すことは出来なかった。)

(善は、快楽の笑みを浮かべ。 残虐な行為を楽しんでいた。)

(強い力が、艶の炎を破り。
善の波動が、本殿の幔幕を引き裂き。 巨大な黒い鳥居の柱を。
振動させ。 傷付けた。)

ゴバッ・・!

バキバキバキッ・・!!

「・・っ!」

(それは、一瞬だった。
翡翠家に、敵がこれ程、侵略したことは無かった。
炎と熱風が、巻き起こり。)

(鳥居と、破られた幔幕が、黒いエネルギーに舞い上がる。)

ゴオッ!

(それは、善のエネルギーか。 押し寄せる力の中。
もう一つの黒い影が、鳥居をくぐった。)

(舞い上がった幔幕が、もう一度下りる間に。)

(計り知れない、怒りを纏う、暴力が。)

(艶の命を奪おうとしていた。)

ガッ ギンッ・・!



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