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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter102 『8月1日(継承)』 102-206
(艶は、目を閉じた。)
「くっ・・!」
ガッ・・ バキッ・・!
(善の鋭い爪は、艶の眼前に迫っていた。
吐息がかかる距離で善は、艶に迫っていたはずだった。)
(乱れた髪と、着物のまま。 艶は、楓の前に。
覆うように、横たわり、振袖で、顔を覆った。)
ギギッ・・
「はっ・・!」
「兄様っ!!」
(艶の前に、長身の人影が立っていた。 善の鋭い爪は、
晃の生み出す、固い植物の枝に阻まれ。
それより先に進めず。)
(艶の目の前には、黒い服に身を包む、兄と慕う人物の、
広い背中があった。)
ガッ・・!
(善の爪に、食い込むように。 晃の繰り出す、太い植物の枝は張り出し。
強い力で、善の進行を遮ると。
動きを止めた。)
【・・貴様・・!】
(善は、痛みと怒りに、顔を歪めた。)
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