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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter102 『8月1日(継承)』 102-208
【・・く・・っ。】
【・・くっ・・。 くっくっ・・。】
(顔を伏せた善は、うつむき、痛みに耐えているかに見えた。
だが、たちまち。 笑みを浮かべると、揺らぎ上半身を起こした。)
【・・あははははは・・っ。】
【・・下衆が・・っ。】
(身体を起こした善の、黒い瞳が。 赤く、燃え上がる。)
「兄様っ!!」
(異変に気付いた艶が、叫んだ。)
(だが、善の攻撃を受けた艶は、起き上がることが、出来なかった。)
(乱れた黒髪の奥で、漆黒の瞳が、瞬いた。)
「!」
(晃も異変に気付いたが、それは、一瞬のことだった。)
【《闇の力を秘めし鍵》】
【《解き放て》】
【《鉄の楔》】
(善が膝を突く地面が、深紫色に輝いたと思うと。
鮮やかな、魔法陣が。 浮かび上がり、善を包んだ。)
(同時に、魔法陣は。 晃の立つ地表に、浮かび上がり。)
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