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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-209


(深紫色の火花を散らし。
地中から、湧き起こった、無数の、鋭い鉄の刃が。 晃を目掛け、
降り注いだ。)

ゴボッ・・!

ババババババッ・・!

(晃は、植物の枝に乗り、舞い上がり。
張り出す木々が、刃を避けたが、強い枝は数知れず湧き起こる刃に。
分断され、晃の頬を切った。)

「・・くっ。」

(晃は、善の居る、地表から、鋭い枝を張り出し。
善の身体を包囲した。)

(だが、瞬時に、包囲は、破られた。)

【《闇の力を秘めし鍵》】

【《解き放て》】

【《氷の刃》】

(善は、一瞬で、生み出した、鋭い刃で。 木々を切り開き。
晃に向かい、跳躍した。)

「・・晃様っ!」

(楓は、痛む身体を起こし、艶の身体を抱くと。
遠く善に向かい、右手をかざした。)

「楓っ。」

(艶は瞬いた。 視線の先、晃に向かい、ナイフを掲げる善の周りを。)



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