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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter102 『8月1日(継承)』 102-214
「(すぅ・・。)」
(晃は、雨の中呼吸し。 両手で、押さえ付ける時雨の身体の向こうに。
怒りを纏い、こちらへ向かってくる。 善の殺気を捉え。)
ポッ ポッ・・
(さらにその奥に。 こちらの様子に気づき、姿を現した、
もう一人の人物を捉えていた。)
「時雨。 手を離せ。」
「俺から離れろ。」
(晃は、自分を押さえ付けている、時雨の肩を掴み。
引き離そうとした。 だが、頑として、時雨は動かなかった。)
「くっ。
汚れるのが、嫌いじゃなかったのか?」
「いつも俺が、服を汚すと。
文句を言っていたじゃないか?」
(晃は笑い、いつも整う時雨の、美しい髪が。
ほつれるのを見て、血の滲む、左手で、そっとなぞった。)
『!』
「見す見す、お前だけ、逝かせるか。」
(遠く善は、行く手を遮る妖魔を切り捨てながら。
二人の元へ近づいた。)
【言いたいことは、それだけか・・。 “鍵”を持つのはお前か・・?】
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