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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter102 『8月1日(継承)』 102-219
【(・・ごぼっ。)】
(力を込め、刀は、善の胸を貫通し。 切っ先は、
背後にいる、時雨の目の前に。 迫った。)
「・・!」
(半月型の眼鏡が、赤に染まる。)
(時宗の、黒い着物の袂から、白い腕がのぞく。)
(時宗は、善に止めを刺しながら、その鋭い視線は。
善ではなく、背後の時雨に向けられていた。)
ズッ・・
(時宗の怒りは、時雨に向けられているように見えた。)
『化け物が・・。』
『術者の命を絶ち、術を解くか・・。』
(晃は、助かった。 だが、時雨には、この者が味方には、思えなかった。)
【・・謀ったな。】
ズッ・・ ゴキッ・・
(振り向いた善は、胸を貫く刀に。 手を掛けた。)
(だが時宗は、さらに深く刀を差し込み。
骨を砕く音が響く。)
【・・お前が・・、当主か・・?】
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