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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-221


(時宗は呟き。 刀から、血痕が、黒い煙へと、蒸発するのを見た。)

「何だと・・?」

(晃は、瞳を開いた。)

「偽者だと言うのか。」

(時宗は、刀を払い、納刀すると、晃に告げた。)

『〈伏せろ。〉』

『〈“術”が、“術者”に返る。〉』

『〈衝撃がここへも届く。〉』

ゴォォォォーッ

(黒煙に乗り、透明なフェルゼンは、空間通路を逆流した。)

バッ・・ ゴオオオオーッ!

(流れと逆らう黒い影の中。 白い人影が、
空間通路を渡り、フェルゼンとすれ違った。)

【謀ったな。】

【・・謀ったな。 あの女・・!】

【あはははははっ!】

(晃は、顔を歪めた。)

「・・初めから、俺を。 狙っていなかった?」

「ならば、なぜ。」



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