HOMENovel
Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter102 『8月1日(継承)』 102-222
(晃の心臓は、跳ねた。)
「狙いは、何だ。 聖。」
(時雨は、眉をひそめた。)
「彩と国への制裁か。
それとも・・。」
***
(彩は、議事堂の議場の中で。
瞳を開いた。)
「能力者が、戻って来る。」
「私達は、失敗した。」
(石垣は、冷たい瞳で彩を見た。)
「そうでもなかろう。」
「“鍵”はまだ、我々の手の中にあるも同じ。」
「“闇化”が起これば良い。」
「多少の犠牲を、払ってもな。」
(眼鏡の奥で。 光の無い、灰色の瞳が笑った。)
(石垣は、能力者が、裏切った彩を、殺しに来ると。
確信した。)
(だが彩は、違うと。 心の中で感じた。)
『 次ページへ 』 『 前ページへ 』