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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-24


「春人さん・・、しっかり。」

(チイは心配そうに、隣で回転木馬に揺られ微笑んだ。)

「すごいですっ! この木馬さんv」

「エアリエル国の、カイ団長のお馬さんみたいです〜!」

(ピュアは、金のたてがみの美しい、
大きな翼を持つ木馬に乗り。
後ろの紫苑に振り向いた。)

「ふふっ。」

「夏樹くん。 楽しいね。」

(夏樹は、くすぐったい思いで笑った。)

「くすっ。 ほんというと、

乗るの初めて。」

(子供心に返るようで、照れくさそうに紫苑と笑い。
夏樹は、傍に乗る、子供たちの笑顔を見つめた。)

(小さな子供たちは、楽しそうに。
可愛らしい手で、木馬につかまり。
外で手を振る、父母を見て、笑っていた。)

「夏樹様。」

(菖蒲はその様子を、回転木馬の外で、見守り。
夏樹と紫苑が、こちらに近づく度。
小さく、白手袋の手を振った。)

「・・、こんな時間が。」



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