HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-243


***

「音々ちゃん。 戦うだけが、強さじゃないよ。」

(雷雨の中、血相を変え、青葉を探す。
音々の横顔を見て、麗は告げた。)

「ダッセー。」

「あんたは分かってない。

あいつらは容赦ない。」

「そんなことじゃ、間に合わない。」

「あいつらに、記憶もろとも。

存在ごと、消されて終わりだ!」

(音々は麗に言い返し。
雨粒を弾き。 短い黒髪を揺らした。)

『音々ちゃん。』

「青葉・・っ。」

「声が聞こえた気がする!」

(麗は、音々の手を掴んだ。)

「音々!」

(音々は、麗の腕を振り払った。)

ダッ・・



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ