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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-244


***

「ぱこ、まこ。」

「帰るぞ。」

(薄くなる、光の壁の中で。 晴は、花子と真に告げた。)

「いやよっ!」

「これからじゃないっ。」

(花子は反発し、雨に濡れるノートを胸に抱いた。)

「ばかっ! 見ろよ。」

「“壁”が薄くなってる。」

「逃げるなら、今の内だ。」

(晴は、危険を感じた。)

『オレだって、親父の仕事を見て来た。』

『これ以上は、ヤバイってわかる。』

「遊びじゃねー!」

(花子の瞳に、強い輝きが宿った。)

「信実を見て、書きたいの。」

「本当のことを、書けって。

あんたも言ったじゃない!」



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