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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-247


(聞いた、善の瞳が、赤く燃えた。)

***

(異空間の中で、聖の心は、彷徨った。)

「ただ、彼女を取り戻したかった。

もう一度。

この手に抱きたかった。」

(自らが創り出し、消えかける異空間の光が、
泣けと、自らを包み込む様だった。)

「彼女と似た、お前を見る度に。

僕は、僕の罪と向き合った。」

「夏樹。」

(金色の瞳が。 熱を帯び、見開いた。)

「お前が僕を終わりに出来ないのならば。

僕が、お前を終わらせる。」

***

「夏樹くんっ!」

(紫苑は、堪えられず、守りの結界の中から、飛び出した。
菖蒲が、後を追った。)

「紫苑お嬢様!」



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