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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-254


【彼と千波ちゃんと、家族に。】

【本当には、なれないって。

いつか、あなたが、わたしに言ったわね・・。】

【そうかしら?】

(粒樹は、聖に、優しく語り掛けた。)

***

(だが、時は、遅かった。)

「・・・っ!」

(夏樹は、フェルゼンの気配を察し、
風の力を、狐次郎にぶつけた。)

ゴオッ!

「夏樹っ!」

***

(金色の鳥籠。 牢獄を隔て、聖と粒樹は抱き合っていた。)

「無垢な命を奪うのは、初めてだった。」

(聖は、過去と向き合い。 囁いた。)

「そうすれば、あの時に、戻れる気がした。」

(金の牢獄が遮り、聖は、それ以上。 粒樹に近づけなかった。)

『彼女を抱いたあの日に。』



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