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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-255


『戻れる気がした・・。』

(聖の手の先から、結晶化した、粒樹の身体は。
固くなり。)

(小さな、“欠片”に砕け始める。)

『まるで・・。

僕の許されない罪を。』

『暴くようだね。』

(聖は、微笑み。 その瞬間を待った。)

【あなたにとって、彼は・・。】

【彼にとって、あなたは・・。】

(だが、手の中で、砕け落ちてゆく、粒樹を前に。
聖の心に。 粒樹の言葉は、届かなかった。)

「・・夏樹・・。」

「“闇”を呼び覚ませ。」

(怒りに燃える、聖の、金色の瞳が光った。)

「!」

(紫苑は、駆け抜け、その場に辿り着いた。)

「・・・っ!!」

(一瞬の間に、起こる出来事に、叫び声も出せず。 紫苑は、両手を縮こめ。)



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