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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-258


【そうだ・・。 “闇”を起こせ・・っ!】

ドウンッ

(青葉から、取り出した“時の欠片”に纏う、“闇の魔力”が、
善の手に移り。 夏樹から湧き起こる風が、善に力を与えた。)

【あっはっはっはっ・・!】

(黒い煙に包まれ。 善の身体は、透明な、フェルゼンの姿に変わった。)

(以前より、幾分実体を増したフェルゼンから強い波動が流れ出る。)

「フェルゼン・・!」

(夏樹は、怒りに燃えたが。 その深い紺色の瞳には、“闇”以外のものが、
輝き、宿っていた。)

【ほしい・・。 ほしい・・。 命・・。】

【無理やり手にすれば、散ってしまう。

花と同じだった。】

【・・なぁ?】

(フェルゼンは、満足げに、闇の波動を身体に受け、微笑み。)

(効力を失う、“時の欠片”を、冷めた目で見つめた。)

「青葉・・っ。」

(夏樹は、水たまりの中に、跪き。
うつ伏せに、倒れた青葉の身体を、抱き上げた。)



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