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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-263


(いかつい男は、通信機で、外部に連絡し。 手にしている銃には、
対能力者用に、国が開発した。 特別な物質で創られた、弾丸が込められていた。)

「下手な真似をすれば、殺す。」

(銃口が、深い紺色の髪に触れ。 男は、サングラスの顔を傾け。)

(俯く夏樹の腕の中の、動かぬ
少女を確認した。)

[「少女の死亡を確認。」]

(通信機の向こうで、報告を受けた男の心は、
崩壊した。)

***

「あああああっ!」

(異空間の扉の向こうに響く、男の叫びに、笑みを浮かべたフェルゼンが、
頭上に掲げた手を、振り下ろした。)

ゴワァッ・・!

ドッ・・ ドドッ・・

【ガァァァァーッ!】

「《闇の力を秘めし鍵》

《解き放て》

《漆黒の壁》」

(ソラは魔法を唱えた。 同時に、雷雲の中、異空間の扉を通り、深紫色の魔法陣から、
巨大な、狼に似た魔物が、地上に舞い降りた。)



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