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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-269


(ソラが、動くと。 外周を囲っていた、黒服の執事達が、
一斉に、銃を取り出し。 ソラ達に向けた。)

(淀みのない動きは、容赦なく、攻撃に転ずることを示していた。)

コォッ!

(空間通路を抜け。 彩が、雨に濡れる遊園地に、舞い降りた。)

「青葉さん・・っ!」

「ごめんなさいっ!」

(彩は、夏樹の手を離れ、コンクリートに横たわる、青葉の遺体を抱き締め。
頬ずりした。)

「傲慢だった。 私が救うなど。」

「救われたのは、私だった。」

「命はそれだけで。 あるがままに、美しかった。」

「“時の欠片”を無理に取り出せば、

闇の力、不死の力、共に失われる。」

(彩は、腕に青葉を抱き。 夏樹を取り押さえようと、取り囲む、特殊部隊員たちに、
叫んだ。)

「彼は、被験者なんかじゃない・・!」

「彼は、私の患者よ・・!」

「手を離しなさい!」

(彩の言葉に、静乃は、瞳を開いた。)



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