HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-278


「・・うん。」

(千波は、頷き。 涙を零した。)

「夏樹を守って。」

(菖蒲と静乃は、頷いた。)

「ええ。」

「空間通路を修復します。 時雨くんが居るわ。 力を借りましょう。」

(静乃は、ヘッドフォンを耳に。 携帯機器を取り出し、操作した。)

「はい。」

コォォォォーッ

(嵐に、吹き荒れる海風に。 流れる銀髪が、舞い踊る。)

(菖蒲は、嵐の中に立ち。 その場を、見下ろしているその男を。
信じられない面持ちで、見上げた。)

「聖様・・。」

(菖蒲は、立ち上がり。 強風の中に、聖を見つめた。)

(風が、銀色の髪を打つ。 見下ろす金色の瞳は、無感情に。
こちらを見ているように見えた。)

「どうして・・。」

(夏樹が、千波が、FOTメンバーが戦っていながら。 聖は、ただ茫然と、
何もせず、立ち。 風見市内を覆う結界が、崩壊して行くにも関わらず、
何の感情も持たずに。 こちらを見ていた。)



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ