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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-286


「夏樹様・・っ!!」

(千波は、菖蒲が何をしようとしているか悟り、力一杯、
後ろから、その腕を引き留めた。)

「菖蒲くんっ!」

(菖蒲は、千波の腕を払い、聖に向き直った。)

「聖様・・!」

(衝撃と雨に、吹き晒されながら、菖蒲は、金色の瞳を睨んだ。)

「“鍵”の開放・・? 粒樹の開放・・?」

「笑わせないでください。」

「あなたは、自分が自由になりたいだけだ!」

「自らの背負う、苦しみから、逃れたいだけではありませんか!?」

「苦しいから、夏樹様を巻き添えにしたのですか?」

「夏樹様の優しさに、あなたは甘えるのですか?」

「あなたは、夏樹様が、あなたの苦しみから逃れないと知っているのに、

自らの苦しみを、押し付けた。」

「あなたに与えられるまでもなく、もう十分背負っているのですよ!」

「これ以上、私の主人を、苦しめないでください。」

「もう、十分、戦っています。 それでもあなたは戦いを放棄し。



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