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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter102 『8月1日(継承)』 102-288
(歩を進める菖蒲を、千波は止めた。 それ以上言えば、
聖を止めることが出来ない様に思えた。)
(だが、菖蒲は、引き下がらなかった。)
(千波と、紫苑の前に、立ち塞がり。 聖から、視線を逸らさなかった。)
(恐ろしい、黄金色の瞳の冷徹な輝きを。 何より、千波に見せたく無かった。)
「菖蒲くんっ!」
(菖蒲は、続けた。 菖蒲の言葉は、千波の想いも、宿していた。)
(黄金色の瞳と、夏樹を奪おうとする国の使いに向け、菖蒲は、言い放った。)
「分からないのですか・・?」
「“闇”を止めるために、ご自分の命を捨てるつもりです。」
「それが、あなた方には、わからないのですか?」
「それでもなお、あの方は。 FOTを、あなたを愛している。」
(菖蒲の声は震えた。 込み上げる怒りを抑えられず、
胸を熱くした。)
「あなたは・・。」
(菖蒲が、聖を引き付ける間に。 静乃は、空間通路を組み上げていた。)
「自らを開放するために、夏樹様を利用した。」
「自分が自由になるために、夏樹様を犠牲にしたのですか?」
「なんていう人だ・・。」
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