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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-299


(白の生み出す、水流が。 雨を払う、清き流れと成り。
水の壁を創り。 魔物を取り押さえた。)

(葵の創り出す、影のベールが、魔物から、人々を隠し。
また、人々の目から、おぞましい“闇”を遠ざけた。)

(光は、手にした鋭い光の輝きで。 魔物の動きを封じ、
“闇”を鋭い光が、切り払った。)

(剛の拳から生まれる、衝撃が。 “闇”を微塵にし、
魔物を砕いた。)

「・・FOT・・。」

(ピンバッジを握り締める、夏樹の手は、汗に、血に、雨に濡れていた。)

(集う仲間が、夏樹の心に火を灯し。 つかの間、深い紺色の瞳は、微笑んだ。)

「《風の翼》」

「《解き放て》《精霊の火》!」

(ソラの放つ魔法もまた、以前とは全く異なっていた。 ソラの命と同じ。
“光の力”に脈打つ魔法は、熱く強く、ソラを包み。)

(“闇”の魔力から解放されたその力は、自由で、伸びやかで。
見る者に力を与えた。)

(ソラの背に、巨大な白い羽根が羽ばたき。)

(巨大な“闇”を、空から。 魔法を宿した剣が、切り開いた。)

「木々よ。」

(晃は、開いた手に、込めた力で。 大地を揺るがし、伸びて行く木々の力で。
壁と成し。 結界の代わりに、“闇”を覆った。)



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