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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-300


「水よ。」

(白の生み出す水は、清く。 “闇”を封じた。)

「影よ。」

(葵の生み出す影が、傷付く人々から、“闇”を静かに包んだ。)

「光よ。」

(光の生み出す、強い光が。 “闇”を光の壁の向こうへ、通さなかった。)

「内なる力よ。」

(剛の拳から、繰り出す波動が。 壁を生み、“闇”を閉ざした。)

ゴオオオッ!

(崩壊した結界の代わりに、夏樹がそうした様に。
FOTのメンバーは、自らの力を束ね。 盾となり、人々を守る壁を生み出していた。)

「剛・・。 皆の力が、結界に成っている。」

(彩は感動した。 惨劇の中、明けて行く空を見上げた。)

「夜が明けるわ。」

(雨は弱まり、夜明けが近いことを、知らせていた。)

「・・けれど。 夏樹君を、簡単に取り戻すことは出来ない。」

「正式に、国に逮捕された。 手の届かない、光の無い、牢獄の中へ。」

「国と私が創り出した。 死の場所。」



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