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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-3


(夏樹に声をかけられ、紫苑は嬉しそうに頷いた。)

「うん・・。」

(夏樹が、笑っていた。 それだけで嬉しかった。)

(夏樹は、幸せを噛み締めた。)

『この世界に生きようとするならば、

きっと僕は、つまずき。 失敗するだろう。』

(ピュアとミイは待ちきれず。
リムジンのソファーから腰を上げ、窓の外を見た。)

ザザーンッ

(波音と風が包み。 立ち上がる二人のスカートや
髪をなびかせ。 柔らかな香りを運ぶ、)

『だけど、その度。 寄り添ってくれる人がいる。』

***

(国会議事堂の地下は、物々しい警備が敷かれていた。)

(選ばれた者しか、足を踏み入れられないその場所に。
彩は。 黒服の執事達を引き連れ、訪れた。)

「ついに、完成した。」

「研究のすべてを注いだこの場所が。」

「ここで、“鍵”に会える。」



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