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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-30


こうやって、小さい子供たちが、

楽しそうにしているのを見ると。」

「ふふっ、あんな風に。

赤ちゃんが笑っているのを見ると。」

「愛しくて、幸せな気持ちになるわね。」

(静乃は、幸せそうに微笑み。
回転木馬の上から、父母に向かい、力強く手を振る、
小さな少女と。)

(母親の連れる、ベビーカーの中で、眠る
赤ちゃんの笑顔を見て。)

(僅かに潤んだ瞳で、菖蒲に笑いかけた。)

「・・ごめんなさい。

変なことを言って。」

「・・あなたの力が。

目覚めたんじゃないかって。」

「そんな気がしたから・・。」

「ふふっ。 でも、

菖蒲くん。」

「私とあなたは、違わないのよ。」

「同じ人間よ。」



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