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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-31


『あなたが、能力者であろうと。』

「何も変わらないわ。」

(静乃は微笑みながら。 いつの間にか
あふれる、涙を。 拭い目を逸らした。)

「・・変わらず、好きでいて。」

(静乃は微笑み、菖蒲の目を見れずに、囁いた。)

(年上の静乃の力に、なれずにいることを、
菖蒲は、気に掛けていた。)

(だが、若い菖蒲が、いつか能力者として目覚めれば。
自分に影響を与えることを恐れ。
優しい菖蒲は、自分から離れるかもしれない。
そう、静乃は案じていた。)

『静乃さん・・。』

(不安にしていたことを知り、
菖蒲は、静乃の思いがけない言葉に、驚いた。)

「私の気持ちは、変わりません。」

「ずっと。」

「あなたのことが好きです。」

(静乃は大きく瞳を見開いた。)

「もし、いつかこの戦いが終わり。」

「夏樹様を幸せにすることが出来たら・・。」



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