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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter102 『8月1日(継承)』 102-301
「誰の手も届かない・・。」
「彼が“闇化”し。」
「死を迎えるまで。」
(力を得た、ソラと。 反対に、夏樹の身体は。 覆い尽くす、黒い圧力に
飲み込まれながら。)
(異空間通路へ、深く。 引きずり込まれて行く。)
「夏樹くんっ!!」
「夏樹・・っ!」
(紫苑と千波は、遠ざかる夏樹の姿を。 “闇”を覆う、風のベールの向こうに見た。)
(触れた風の壁は、夏の熱と、潮を含み。 包み込む、力に。 夏樹の存在を感じた。)
(夏樹は、ソラの声を遠くに聞いた。)
「・・ソラ・・。」
(締め付け、呼吸を奪う程の圧力が、夏樹を襲った。)
「(ぐっ)」
(まるで、黒い“闇”に、身体を包まれる様だ。)
(その先は、深く黒い。 トンネル。)
(底知れぬ、“闇”と冷たさが。 夏樹を待ち受けていた。)
(友から切り離され。 見る見る、光と音が、遠ざかる。)
(目の先に見えていた。 皆の居る、明るい世界が。)
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