HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-305


[「紫苑ちゃん。」]

[「悲しまないで。」]

[「これを聞いている時。 もしかしたら、悲しい時かもしれない。」]

(青葉は、顔を上げ。 笑顔で紫苑を見た。)

[「夏樹くんは、守ってくれる。」]

[「世界は、終わったりしない。」]

(透明な、青葉の笑顔の映像の向こうには。 崩壊した公園が広がっていた。)

[「正しく、生きた者に。」]

[「道は、開かれる。」]

(射し込んで来る光は、次第に強まり。
透明な、青葉の姿を、かすませた。)

[「・・世界は、変わってしまった?」]

[「きっと、今。 悲しいね。」]

[「だけど、もし。 扉が開かれたなら。」]

[「それは、夏樹くんが、あなたを選んだ証。」]

(青葉は、強く。 拳を握り。 自身の胸元に当てた。)

[「幸せを望めば、叶えられず、信じれば、裏切られ、夢は、壊れてしまう。」]

[「そんなこの世界で。 幸せを願った証。」]

[「紫苑ちゃんと二人でなら。」]



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ