HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-310


「そして。」

「たとえ、孤独となるとも。」

「聖なる力が、そなたを見ておる。」

「人は、愛され生まれてくる。」

(大巫女は、孤独と向き合う。 “闇の王”へ、
かつて、深い愛情を込め、育てた。 ルイの忘れ形見に、
指を伸ばした。)

「誰にも愛されず。 苦しみの中にあろうとも。」

「その命は、聖なる力に愛され。 生まれた。」

「ここに居るということは。」

「聖なる力に、愛されているということじゃ。」

(大巫女は、静かに語った。)

「幼き時。」

「そなたを愛した者がおる。」

「慈しみ、大切に育てた。」

「愛は、受け継がれ。」

「次の愛を、生む。」

(大巫女は、目を閉じた。)

「そして、同じ愛で。」



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ