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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-33


(海風にそよぐ、菖蒲の黒い前髪が、
黒縁眼鏡にかかる。)

(静乃はそっと、背の高い菖蒲に
背伸びし。 美しい指先で、
眼鏡に、黒髪に触れた。)

「あなたで、よかった。」

(菖蒲は、瞬き。 微笑んだ。)

(華やかな音楽に乗り、メリーゴーランドが止まった。)

(楽しそうに降りてくる人々の中に、
皆の笑顔があった。)

「楽しかった♪」

「ソラ、つぎコーヒーカップが良い!」

(ソラは、楽しそうに笑った。)

「はいはい。 お姫様。 お気に召すまま。」

(夏樹は、メリーゴーランドから降りると、
菖蒲に微笑んだ。)

「どうした。 何かあった?」

(菖蒲は、言葉を詰まらせ。
紅潮した頬で、笑った。)

「・・すみません///

仕事中だと、忘れていました///」



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