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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-34


(完全に、動揺した様子の菖蒲に。
夏樹は、微笑ましく、笑った。)

「忘れるくらいが、ちょうどいい。」

「僕は大丈夫だから、

静乃さんと、歩いたら?」

(菖蒲は、動揺覚めやらぬ様子で。
顔を赤くし。 眼鏡を掛け直した。)

「いいえ。

最後までお傍におります。」

(夏樹は、笑った。)

「くすくすっ。」

(静乃はそっと、菖蒲と夏樹に寄り添った。)

「夏樹くん。

外の世界に、触れることで。」

「相手に、耐性を生む場合があるそうよ。」

(紺色の瞳が瞬いた。)

「え?」

(静乃は頷いた。)

「外の世界の人達が。 能力者に触れ。 互いが触れ合えるように変わるの。」



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