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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-36


(夏樹は、笑った。)

「はっはっ。」

(ソラ達が手を振った。)

「夏樹〜っ、次これ乗ろっ。」

(深い紺色の瞳が、紫苑を見た。)

「行く? 紫苑さん。」

(紫苑は、柔らかなレースのスカートを揺らし。
回転木馬に揺られ、ピンクに染まる頬に、
乱れた髪先を撫でた。)

(いつもと変わり、明るいベージュ色の髪先が、わずかにカールし
揺れる様子は、さらに可愛らしく。)

(小さく光る、ピンク色のアクセサリーが、
華やかで。)

(風に乗り、ふわりと、良い香りを夏樹に届けた。)

「///・・っ、ふふ。 うん、乗りたい。」

(紫苑は、今日を楽しもうと決めていた。
皆と居られるのも嬉しかったが。
真夏の日差しの下、冷やりとする。 夏樹の体温を、
間近に感じられることは。 奇跡のように嬉しかった。)

「行こう。」

(紫苑は、積極的に、夏樹の手を取った。)

『今、一緒にいられるなら。』



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