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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter102 『8月1日(継承)』 102-43
「この薄い壁の向こうは、別世界だな。」
(二人は、聖の創る、広域結界を見つめ。
中の人々を思った。)
「広域結界の中の人々は、守られている。」
「だが、俺たちの背後を見てみろ。」
「FOTの創り出した、異空間の背後から。
俺たちのすぐ後ろから。
国の奴らが、こっちを見ている。」
(光は、一触即発の気配を感じていた。)
「そうね。 異空間の向こうから、
私たちを、包囲している。」
「聖さんが、彼を。 “鍵”を開放する瞬間を待って。」
「この異空間が崩壊すれば。」
「私たちに攻撃をしかけてくるわ。」
(葵は、薄紫色の瞳を背後に向け。
壁一枚隔てた向こうに。 無数の敵が、
殺気を漂わせ。 こちらを注視していることを感じ。
美しい指先で、異空間の壁をなぞった。)
(薄い壁の向こうに居る、敵の姿は見えないが。
淡く黄色に光る障壁のすぐ向こうに。
それは居た。)
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