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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-5


「“時の欠片”に、“鍵”に触れたい・・っ!」

「所詮、研究者など、凡人に過ぎないと、

あなたたち能力者を見ていて、分かった。」

「苦しい者が、いくら努力を重ねても、

助からない者は、助からない!」

「貧しい者は、この世から消えてゆく運命よ。」

(彩は、黒服の執事達が、唖然と見つめるのも気にせず。
いつの間にか、閉ざされた黒い扉に向かい、感情をぶつけていた。)

(涙ながら、黒い扉に、両手で触れ。 頬ずりした。)

「私は見てきた。 小さな、

小さな命たちが、人知れぬ戦いを繰り返したことを。」

「散ってゆく姿を!」

「何一つ、報われなかった・・!」

「天が見放すならば、この私が救う。」

『私の両親も、それを願っているわ。』

「父と母は、かつての能力開発施設で、

研究を重ねていた。」

「夏樹君。」

「あなたの力が、私の両親を。」



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