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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-6


「子供達を殺したのよ。」

「この時を、待っていたわ。」

(彩は底知れぬ憎しみの中に、喜びが湧くのを感じた。)

「結果を残せれば、父と母も報われる。」

「機密と共に、かの地に封じられた、

過去の存在。」

「私が証明する。」

「正しかったことを。」

***

『報われなくてもいい。

僕が生きたことを。』

『僕と、僕をここに生み出し、生かしてくれた人たちは

知っている。』

『それだけで良い。』

(夏樹は、海の香りを、肌に感じ。)

(友の声に、振り向いた。)

「見てみて! 可愛いクマとウサギのマスコットがいるよ!」

「ハート型の風船がいっぱいです〜♪」



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