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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-50


「ううん。」

(看護師は、安心して、扉を閉めた。)

「ぴよちゃん。」

(青葉は、小声で。 枕もとに置かれた
小さな青色のひよこに。 話しかけた。)

「行こう。」

「今日、出かけよう。」

(青葉は、うきうきして。
ベッドから起きだし、スリッパを履いた。)

「ぴよちゃん。 わたしのお部屋に連れて行って。」

「お気に入りの服に、着替えるから。」

(青色のひよこは、青葉の手から、
細い肩へ、飛び移った。)

「ピヨッ」

(青葉は、微笑み、頷いた。)

『紫苑ちゃんから、ぴよちゃんに、メールが届いてた。』

『風見海浜公園に。

夜7時。 花火が上がるって。』

(青葉は、ドキドキしながら、不安が押し寄せていた。)



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