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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-51


「何かが起こる気がするの・・。」

「大丈夫。

ここを抜け出しても。 きっと。

見つからないように、なっている。」

「あの、小さな男の子が魔法をかけているから。」

(ぴよは、警戒するように、鳴いた。)

「ピヨッ」

(青葉は、ぴよに細い指先で触れ。 もう一方の手で、
胸元に触れた。)

「大丈夫。

夏樹くんが守ってくれた、わたしの“時の欠片”はここにある。」

(青葉は、病衣の奥に眠る輝きを。 目を閉じ、想像した。)

「夏樹くんと、紫苑ちゃんを。

助けないと。」

(青葉は、小さなひよこに向かい、強い眼差しで頷くと。
そっと、病室の扉を開けた。)

「わたしのお部屋へ、連れて行って。」

(青葉がぴよに触れると。 青色のひよこは、淡く黄色く光り。
瞬時に湧き起こった力が、青葉の身体を引き寄せ。
ひよこと共に、空間移動の力に吸い込まれた。)



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